一般的に「チタン」というと、純チタンのことを意味します。常温で α 相 ( 六方最密充填構造 ) と呼ばれる結晶構造をしており、また、約 880 ℃ 以上で β 相 ( 体心立方構造 ) と呼ばれる結晶構造になります。純チタンは常温で安定した β 相を得ることは出来ないと言われています。純チタンの比重は 4.51 であり、これは、鉄とアルミニウムの中間の比重です。 ( 鉄の約 57 % )
ヤング率は 106 GPaであり、これは、鉄やステンレス鋼の約 1/2 の値です。ヤング率が高いとは変形しにくいことを表します。つまり、力を加えた際に元に戻ろうとする力が強いものとなります。逆に、ヤング率が低いと、変形しやすく、力を加えた際に元に戻ろうとする力が弱いものとなります。
引張強度は 340 MPa以上であり、比強度 ( 引張強度 / 密度 ) は 75 kN・m / kgです。これは、ステンレス鋼 ( SUS304 ) の値 66 kN・m / kg より優れています。この比強度の値が高ければ高いほど、軽くても強い材料であることがわかります。
純チタンは非磁性ですので、磁石にひっつきません。
弊社で取り扱っている純チタンを下記、紹介します。
純チタン ( GR-1, GR-2 )
特長
チタンの 3 大特長である「軽い ( 比重 4.51 ) 」「強い」「耐食性に優れる」に着眼し、眼鏡フレーム素材として独自の素材加工を施した眼鏡用純チタンです。
不純物を少量含んでおりますが、商業的な意味で純度が高いチタンであることから、CP チタン ( Commercially Pure Titanium ) とも呼ばれています。
純チタンの強度は含有する O と Fe の量により変わり、JIS 規格では O, Fe が少なく柔らかい 1 種から、O, Fe の含有量を高くした硬い 4 種までの 4 種類で、分類分けされています。弊社では主に 1 種, 2 種を販売しております。
線材 φ1.0 mm |
線材 φ1.5 mm | 線材 φ2.0 mm |
線材 φ2.5 mm |
線材 φ3.0 mm |
線材 φ3.5 mm |
線材 φ5.0 mm |
|
コイル材 φ1.1 mm |
コイル材 φ2.0 mm |
コイル材 φ3.0 mm |
コイル材 φ3.5 mm |
用途
民生品(眼鏡フレーム・時計等)・自動車関連・化学工業製品・建築など多方面
取扱規格
弊社取扱の純チタン各種・形状については、下表を参照ください。
チタン1種(GR-1) | CG(センターレス)材 / コイル / 板 |
チタン2種(GR-2) | CG(センターレス)材 / コイル / 板 / 異形線 |
CG(センターレス)材 | コイル | シート | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
サイズ
( φ × mm ) |
純 チタン |
線径
( φ ) |
純 チタン |
板厚
( mm ) |
純チタン | |
GR – 2 | GR – 2 | GR – 2 | ||||
1.0φ × 1000 L |
● | 1 | ● | 0.5 | 100 x 1000 L | ● |
1.5φ × 1000 L |
● | 1.5 | ● | 0.6 | 100 x 1000 L | ● |
2.0φ × 2000 L |
● | 2 | ● | 0.8 | 100 x 1000 L | ● |
2.5φ × 2000 L |
● | 2.5 | ● | 1 | 100 x 1200 L | ● |
3.0φ × 2000 L |
● | 3 | ● | 1.5 | 100 x 1200 L | ● |
3.5φ × 2000 L |
● | 3.5 | ● | 2 | 100 x 1200 L | ● |
4.0φ × 2000 L |
● | 4 | ● | 2.5 | 100 x 1200 L | ● |
4.5φ × 2000 L |
● | 4.5 | ● | 3 | 100 x 1200 L | ● |
5.0φ × 2000 L |
● | 5 | ● | |||
5.5φ × 2000 L |
● | 5.5 | ● | |||
6.0φ × 2000 L |
● | 6 |
※βチタンの取扱サイズは 通常取扱規格 を参照ください。