一般的に「チタン」というと、純チタンのことを意味します。常温で α 相 ( 六方最密充填構造 ) と呼ばれる結晶構造をしており、また、約 880 ℃ 以上で β 相 ( 体心立方構造 ) と呼ばれる結晶構造になります。純チタンは常温で安定した β 相を得ることは出来ないと言われています。純チタンの比重は 4.51 であり、これは、鉄やステンレス鋼 ( 約7.6~8.1 )とアルミニウム ( 約2.7 )の中間の値です。鉄やステンレス鋼と比較した時、純チタンは約半分の重さとなり、比較的、軽量です。
一般的な純チタン( Ti-2種 )のヤング率は 106 GPaであり、これは、鉄やステンレス鋼 ( 約200 GPa )の約 1/2 の値です。ヤング率が高いとは変形しにくいことを表します。つまり、力を加えた際に元に戻ろうとする力が強いものとなります。逆に、ヤング率が低いと、変形しやすく、力を加えた際に元に戻ろうとする力が弱いものとなります。
純チタン( Ti-2種 )の引張強度は 340 MPa以上であり、比強度 ( 引張強度 / 密度 ) は 75 kN・m / kgです。これは、ステンレス鋼 ( SUS304 ) の値 66 kN・m / kg より優れています。この比強度の値が高ければ高いほど、軽くても強い材料を示し、チタンは軽くて強い金属であることがわかります。
純チタンは非磁性ですので、磁石にひっつきません。
弊社で取り扱っている純チタンを下記、紹介します。
純チタン ( GR-1, GR-2 )
特長
チタンの 3 大特長である「軽い ( 比重 4.51 ) 」「強い」「耐食性に優れる」に着眼し、眼鏡フレーム素材として独自の素材加工を施した眼鏡用純チタンです。
不純物を少量含んでおりますが、商業的な意味で純度が高いチタンであることから、CP チタン ( Commercially Pure Titanium ) とも呼ばれています。
純チタンの強度は、含有する酸素( O )と 鉄( Fe )の量により変わります。JIS 規格では酸素( O ), 鉄( Fe ) が少なく柔らかい 1 種から、酸素( O ), 鉄( Fe ) の含有量を高くした硬い 4 種までの 4 種類で、分類されています。
4種類の引張強度はそれぞれ、1種(≧270MPa)、2種(≧340MPa)、3種(≧480MPa)、4種(≧550MPa)となり、1種、2種、3種及び4種と数字が上がるにつれ、高強度になります。
弊社では主に 1 種, 2 種を販売しております。
![]() 線材 φ1.0 mm |
![]() |
![]() 線材 φ2.0 mm |
![]() |
![]() 線材 φ3.0 mm |
![]() 線材 φ3.5 mm |
![]() 線材 φ5.0 mm |
|
![]() コイル材 φ1.1 mm |
![]() コイル材 φ2.0 mm |
![]() コイル材 φ3.0 mm |
![]() コイル材 φ3.5 mm |
用途
民生品(眼鏡フレーム・時計等)・自動車関連・化学工業製品・建築など多方面
取扱規格
弊社取扱の純チタン各種・形状については、下表を参照ください。
チタン1種(GR-1) | CG(センターレス)材 / コイル / 板 |
チタン2種(GR-2) | CG(センターレス)材 / コイル / 板 / 異形線 |
CG(センターレス)材 | コイル | シート | ||||
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サイズ
( φ × mm ) |
純 チタン |
線径
( φ ) |
純 チタン |
板厚
( mm ) |
純チタン | |
GR – 2 | GR – 2 | GR – 2 | ||||
1.0φ × 1000 L |
● | 1.0 | ● | 0.5 | 100 x 1000 L | ● |
1.5φ × 1000 L |
● | 1.5 | ● | 0.6 | 100 x 1000 L | ● |
2.0φ × 2000 L |
● | 2.0 | ● | 0.8 | 100 x 1000 L | ● |
2.5φ × 2000 L |
● | 2.5 | ● | 1.0 | 100 x 1200 L | ● |
3.0φ × 2000 L |
● | 3.0 | ● | 1.5 | 100 x 1200 L | ● |
3.5φ × 2000 L |
● | 3.5 | ● | 2.0 | 100 x 1200 L | ● |
4.0φ × 2000 L |
● | 4.0 | ● | 2.5 | 100 x 1200 L | ● |
4.5φ × 2000 L |
● | 4.5 | ● | 3.0 | 100 x 1200 L | ● |
5.0φ × 2000 L |
● | 5.0 | ● | |||
5.5φ × 2000 L |
● | 5.5 | ● | |||
6.0φ × 2000 L |
● | 6.0 |
※βチタンの取扱サイズは 通常取扱規格 を参照ください。